千の風になって 新井満 訳詩
2006年9月19日 詩私のお墓の前で
泣かないでください
そこに私はいません
眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています
秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
私のお墓の前で
泣かないでください
そこに私はいません
死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています
あの大きな空を
吹き渡っています
泣かないでください
そこに私はいません
眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています
秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
私のお墓の前で
泣かないでください
そこに私はいません
死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹き渡っています
あの大きな空を
吹き渡っています
A THOUSAND WINDS
2006年9月19日 詩Do not stand at my grave and weep,
I am not there, I do not sleep.
I am a thousand winds that blow;
I am the diamond glints on snow,
I am the sunlight on ripened grain;
I am the gentle autumn’s rain.
When you awake in the morning bush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet in circled flight.
I am the soft star that shines at night.
Do not stand at my grave and cry.
I am not there; I did not die.
I am not there, I do not sleep.
I am a thousand winds that blow;
I am the diamond glints on snow,
I am the sunlight on ripened grain;
I am the gentle autumn’s rain.
When you awake in the morning bush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet in circled flight.
I am the soft star that shines at night.
Do not stand at my grave and cry.
I am not there; I did not die.
いつだってわかっていた
認めてしまうのが恐かった
だからいつも布団の中 涙
必要なもの不必要なもの
別れることはないんだ
夕暮れの空
止まらない時間
降りかえる帰り道に
同じ色が残っていた
これまでの色といつかは混ざって
今と一緒に溶けて
思い出すように
思い出すだけに
言葉では拙いから想いを歌に
ただこうしてある今を生きていくのは辛いから
悩まなくてはいけないんだろう
認めてしまうのが恐かった
だからいつも布団の中 涙
必要なもの不必要なもの
別れることはないんだ
夕暮れの空
止まらない時間
降りかえる帰り道に
同じ色が残っていた
これまでの色といつかは混ざって
今と一緒に溶けて
思い出すように
思い出すだけに
言葉では拙いから想いを歌に
ただこうしてある今を生きていくのは辛いから
悩まなくてはいけないんだろう
工藤直子・「哲学のライオン」 より
2006年3月1日 詩 コメント (2):::::::::::::::::::::::::::::
ライオンはてつがくが気に入っている
かたつむりが、
ライオンというのは、獣の王で哲学的な様子をしているものだ
と教えてくれたからだ。
きょうライオンは「てつがくてき」になろうと思った
哲学というのは坐りかたから工夫した方がよいと思われるので、
尾をまるめて腹ばいに坐り、前肢を重ねてそろえた
首をのばし、
右斜め上をむいた
尾のまるめぐ工合からして、その方がよい
尾が右で顔が左をむいたら、でれりとしてしまう
ライオンが顔をむけた先に、草原が続き、木が一本はえていた
ライオンは、その木の梢をみつめた。梢の葉は風に吹かれてゆれた
ライオンのたてがみも、ときどきゆれた
(だれか来てくれるといいな。「なにしてるの?」と聞いたら「てつがくしてるの」って答えるんだ)
ライオンは、
横目で、
だれか来るのを見はりながらじっとしていたが誰も来なかった
日が暮れた。
ライオンは肩がこってお腹がすいた
(てつがくは肩がこるな。お腹がすくと、てつがくはだめだな)
きょうは「てつがく」はおわりにして、かたつむりのところへ行こうと思った。
「やあ、かたつむり。ぼくはきょう、てつがくだった」
「やあ、ライオン。それはよかった。で、どんなだった?」
「うん、こんなだった」
ライオンは、てつがくをやった時のようすをしてみせた。
さっきと同じように首をのばして右斜め上をみると、
そこには夕焼けの空があった。
「ああ、なんていいのだろう。ライオン、あんたの哲学は、とても美しくてとても立派」
「そう?・・・とても・・・何だって?もういちど言ってくれない?」
「うん。とても美しくて、とても立派(りっぱ)」
「そう、ぼくのてつがくは、とても美しくてとても立派なの?
ありがとうかたつむり」
ライオンは肩こりもお腹すきも忘れて、
じっとてつがくになっていた。
:::::::::::::::::::::::::::::
小学生の教科書だったかな?
この詩を見て
すごくかっこいいな って思ったことを覚えている。
たしか教科書にこっそりライオンの絵を描いた気がする。
ライオンはてつがくが気に入っている
かたつむりが、
ライオンというのは、獣の王で哲学的な様子をしているものだ
と教えてくれたからだ。
きょうライオンは「てつがくてき」になろうと思った
哲学というのは坐りかたから工夫した方がよいと思われるので、
尾をまるめて腹ばいに坐り、前肢を重ねてそろえた
首をのばし、
右斜め上をむいた
尾のまるめぐ工合からして、その方がよい
尾が右で顔が左をむいたら、でれりとしてしまう
ライオンが顔をむけた先に、草原が続き、木が一本はえていた
ライオンは、その木の梢をみつめた。梢の葉は風に吹かれてゆれた
ライオンのたてがみも、ときどきゆれた
(だれか来てくれるといいな。「なにしてるの?」と聞いたら「てつがくしてるの」って答えるんだ)
ライオンは、
横目で、
だれか来るのを見はりながらじっとしていたが誰も来なかった
日が暮れた。
ライオンは肩がこってお腹がすいた
(てつがくは肩がこるな。お腹がすくと、てつがくはだめだな)
きょうは「てつがく」はおわりにして、かたつむりのところへ行こうと思った。
「やあ、かたつむり。ぼくはきょう、てつがくだった」
「やあ、ライオン。それはよかった。で、どんなだった?」
「うん、こんなだった」
ライオンは、てつがくをやった時のようすをしてみせた。
さっきと同じように首をのばして右斜め上をみると、
そこには夕焼けの空があった。
「ああ、なんていいのだろう。ライオン、あんたの哲学は、とても美しくてとても立派」
「そう?・・・とても・・・何だって?もういちど言ってくれない?」
「うん。とても美しくて、とても立派(りっぱ)」
「そう、ぼくのてつがくは、とても美しくてとても立派なの?
ありがとうかたつむり」
ライオンは肩こりもお腹すきも忘れて、
じっとてつがくになっていた。
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小学生の教科書だったかな?
この詩を見て
すごくかっこいいな って思ったことを覚えている。
たしか教科書にこっそりライオンの絵を描いた気がする。
目を閉じて見た世界に
焼き付けた頬の冷たさ
乾いた夜に外に出ては
風が変わるのを見てた
離れる前にはわかったような顔をして
少し前を歩くんだ
小さい口で息を吸う
汚した空気も飲み込んだ
掌で踊るピース
風も変わっただろ
涙で戻るフォーカス
幸せの笑顔を
てらす日曜日
焼き付けた頬の冷たさ
乾いた夜に外に出ては
風が変わるのを見てた
離れる前にはわかったような顔をして
少し前を歩くんだ
小さい口で息を吸う
汚した空気も飲み込んだ
掌で踊るピース
風も変わっただろ
涙で戻るフォーカス
幸せの笑顔を
てらす日曜日
燃え終わっても
白い灰なんてない
イシカベに囲まれて
身動きもできずに
話すこともできずに
通り過ぎる時間
壁はもう触るとやけどしそうだけど
触れと君は言う
ゆらめいた炎から生まれる
不揃いの色が
不揃いの色が
消えそうな炎から生まれる
小さな愚かさが
小さな愚かさが
不気味なほどに恐ろしい
黒い炉を色取った
漆黒の炭が出来上がった
夜明け前の森のような
黒い壁が囲んでいた
やはりそらは くらいのではなく
くろいのだろう
白い灰なんてない
イシカベに囲まれて
身動きもできずに
話すこともできずに
通り過ぎる時間
壁はもう触るとやけどしそうだけど
触れと君は言う
ゆらめいた炎から生まれる
不揃いの色が
不揃いの色が
消えそうな炎から生まれる
小さな愚かさが
小さな愚かさが
不気味なほどに恐ろしい
黒い炉を色取った
漆黒の炭が出来上がった
夜明け前の森のような
黒い壁が囲んでいた
やはりそらは くらいのではなく
くろいのだろう
新しい季節の夜空に
今日もまた顔をみせて
運命さえ感じても
それはもう昨日のこと
うわついた恋心に
「もういやだ」と顔を上げても
わかるのはいつも見たあの夜空と月
見たくないなら目を開いて
歩いていくの? どこまでも続くこの道を
本当のタイセツがわかるの? ねえ…
すきになって恋をして 辛くなってはまた別れて
君は知っているんだろう 繰り返すのは辛いこと
「月」は君が持つ名前だから
寂しがりの花のように
君はまた綺麗になる
過ぎていく時の中
君はまた影をつくる
犠牲にしたたくさんの想いを
ひとさし指でなぞれば
繰り返すあの夢もおわるのかい?
見たくないなら忘れないで
歩いてゆくよ 前に進めば空の表情も
いつも語り合った場所も 変わるから…
冬が終わって朝が来て 覆った雪が解ける頃
君は知っていたんだろう また歩いていくことを
「太陽」は君が持つ名前だから
すきになって恋をして 辛くなってはまた別れて
君は知っているんだろう それでも生きていくことを
「そら」は君の持つ想いだから
わかるのはいつかの月と太陽
青空の中 浮かんでた
私の大切な月と太陽 忘れたくないふたつ想い
私は知っていたんだね こうして生きていくことを
きっと「タイセツ」がわかるから…
今日もまた顔をみせて
運命さえ感じても
それはもう昨日のこと
うわついた恋心に
「もういやだ」と顔を上げても
わかるのはいつも見たあの夜空と月
見たくないなら目を開いて
歩いていくの? どこまでも続くこの道を
本当のタイセツがわかるの? ねえ…
すきになって恋をして 辛くなってはまた別れて
君は知っているんだろう 繰り返すのは辛いこと
「月」は君が持つ名前だから
寂しがりの花のように
君はまた綺麗になる
過ぎていく時の中
君はまた影をつくる
犠牲にしたたくさんの想いを
ひとさし指でなぞれば
繰り返すあの夢もおわるのかい?
見たくないなら忘れないで
歩いてゆくよ 前に進めば空の表情も
いつも語り合った場所も 変わるから…
冬が終わって朝が来て 覆った雪が解ける頃
君は知っていたんだろう また歩いていくことを
「太陽」は君が持つ名前だから
すきになって恋をして 辛くなってはまた別れて
君は知っているんだろう それでも生きていくことを
「そら」は君の持つ想いだから
わかるのはいつかの月と太陽
青空の中 浮かんでた
私の大切な月と太陽 忘れたくないふたつ想い
私は知っていたんだね こうして生きていくことを
きっと「タイセツ」がわかるから…