memo2

2008年7月13日
Aは彼が過去の女性とのトラウマを認めて彼と付き合っていた。
Aはやさしい。

Aは彼を過去の傷跡をえぐらないようにと、
Kとあって相談したこと、癒してもらってるということを
二人で別れ話をしていた昨夜言わなかった。

彼は知っていた。
昨晩話している合間に、Aが誰かにメールを打っていることを。

今朝、最後の寝床から出ると、彼は卑劣にもAの携帯を手に取り、
それを暴いた。

結果として彼はKのことを知り、必然的にふさがっていた傷跡は開いた。

彼はAの優しさは理解できていた。
しかし、彼は、昨晩のAの言葉を信じていた。

だれか好きな人ができたのかという問いをAは否定した。
メールは女友達としていたのだと。

彼は、Aはひどいことをしたと憤慨した。
怒りではなく、なぜ?と。

トラウマはもはやトラウマではなくなり、
再び水気を帯びた腫瘍となり、彼の心に息づいた。

彼は震えて頭が回らなくなったようだった。

優しさが優しさとして伝わらず
想いを心に拒絶され
悲しみが伝わって虚ろとなり
感情すらも飲み込まれた。

昨晩の話は悲しい嘘の餌食になった。
本当を見ることができない。
ただ彼の中をさらうと、そこには言い切れない好意だけがあった。

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